キミのことが好きでした



長い間
ずっと見てきました

特別なこともなく
当たり前のように

毎日、毎日…

キミの茶色く透けた髪と
眩しい笑顔と

喜ぶ瞳も
落ち込んだ仕草も

ずっとずっと
見てきたのです



僕がメガネを掛けた時

キミは僕に
ふざけて言いました



「男がメガネかけるのって
本心を隠すためなんやろ?」



僕がそんなに
器用なはずはありません

でも

隠せるものなら
誰にも気付かれないように

二度と開かない
鍵をかけて

蓋を閉じてしまいたいとも
思っていました






< 41 / 70 >

この作品をシェア

pagetop