俺様モデルvs姫様モデル
「愛莉…手…」


「…入らないで…愛莉…亮輔を傷つけちゃう…」


「血出てる。手当てしないと…」


「愛莉のことは放っておいてよ…なんで…愛莉は…亮輔を傷つけちゃうんだよ……」


「…」




何も言わずに手当てをしてくれる亮輔の手は




震えてる



なんで?



なんでそんなに愛莉のことを心配するの?



愛莉は…亮輔を傷つけちゃうのに



「亮輔…あのね」


「話してくれんの?」


「ん。約束だもん。でも…」


「…」


「ずっと…手ぇ…握ってて?」


「ん」



キスして…


言いたかったけど



いえる資格がない



それなのに


亮輔は何も言わず


あたしに口づけをした…―



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