吸血鬼と紅き石
第八章
城の外
「お前にこれを渡しておく」
出立まで、あと数時間後に迫った昼過ぎ。
そう告げたレンバルトがリイエンの背後へと回り、優しい手付きで髪を退けると、その首に何かを掛けた。
シャラリ、という小さな金属音と、それから僅かな重みを感じてリイエンは己の胸元に手を伸ばす。
「え…?」
その指先が摘み上げたのは、白い、乳白色の石。
その石に繋がっているのは輝きも細工も見事な、見た目からして高額そうなチェーンだ。
根元が太く、先端につれて細くなっているその小さな石は何かを連想させた。
(こ、れは骨?いいえ、牙だわ)
出立まで、あと数時間後に迫った昼過ぎ。
そう告げたレンバルトがリイエンの背後へと回り、優しい手付きで髪を退けると、その首に何かを掛けた。
シャラリ、という小さな金属音と、それから僅かな重みを感じてリイエンは己の胸元に手を伸ばす。
「え…?」
その指先が摘み上げたのは、白い、乳白色の石。
その石に繋がっているのは輝きも細工も見事な、見た目からして高額そうなチェーンだ。
根元が太く、先端につれて細くなっているその小さな石は何かを連想させた。
(こ、れは骨?いいえ、牙だわ)