吸血鬼と紅き石
「ねぇ、レンバルト…レンバルトも行くの?」

今更だと思うが、リイエンはそう尋ねざるを得ない。

「あァ、そうだが?」

俺がいなくちゃ、お前らはここから出れもしないだろう、との最もな指摘に頷くも、彼のその姿だけはとてもいただけない。

銀髪銀瞳、人ならざる美貌に、そしてその身を包む、彼が吸血鬼だと示すマント。

もう見慣れた気がするその姿だが、吸血鬼だと示す姿で行くのは一緒に行く己は勿論、これから村で暮らす事になるターニャに良くないのではないか。

「これから行く場所は、人が暮らす村よ?これからターニャを預かって貰おうという場所に、あなたのその姿はまずいと思うんだけど…」


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