吸血鬼と紅き石
「…お姉ちゃん」
リイエンが何か言ってやろうと口を開き掛けた所に、最後の荷物を鞄に詰める作業が終わったのか、ターニャが二人のいる部屋に顔を出した。
だが、何かリイエンに呼び掛けた筈の言葉は続かず、ポカンとしたその表情が向けられていたのは、リイエンの前に立つ、人に化けたレンバルトだ。
ターニャはレンバルトの姿が変わる所など、目にしていないのだ。
彼女からしてみれば、いきなり知らない人物が姉のように慕う人と一緒にいる、と映っても仕方ないだろう。
「…おいで、ターニャ」
どう説明しようかと迷いつつも、リイエンは幼い少女を自分の傍へと呼ぶ。
リイエンが何か言ってやろうと口を開き掛けた所に、最後の荷物を鞄に詰める作業が終わったのか、ターニャが二人のいる部屋に顔を出した。
だが、何かリイエンに呼び掛けた筈の言葉は続かず、ポカンとしたその表情が向けられていたのは、リイエンの前に立つ、人に化けたレンバルトだ。
ターニャはレンバルトの姿が変わる所など、目にしていないのだ。
彼女からしてみれば、いきなり知らない人物が姉のように慕う人と一緒にいる、と映っても仕方ないだろう。
「…おいで、ターニャ」
どう説明しようかと迷いつつも、リイエンは幼い少女を自分の傍へと呼ぶ。