吸血鬼と紅き石
リイエンの傍へ寄る際もその小さな二つの目は、己を呼んだ少女ではなくその目の前の青年を見つめていた。

「…お前ら揃いも揃って楽しい反応しやがるな」

そんなターニャの様子に再び愉しげに口を開いたのはレンバルトだ。

そんな、姿は変わっても態度は全く変わらない青年が、自分の嫌う吸血鬼の青年だとすぐに分かったのだろう。

ターニャがリイエンの前に立って、人になったレンバルトのその顔を睨み付けた。

そんなターニャの様子にも、レンバルトが愉しげに笑うので、どうにもいただけない。


説明する手間は省けたようだが、どうせ変わるのならば、性格も変えて欲しくなったリイエンだった。


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