吸血鬼と紅き石
「お前のその目…返して貰おうか」

凍りつくようなレンバルトの声に、返るのは嘲笑。

「この目は娘に手を出さない代わりにアイツが俺にくれたんだ!」

ヒャハハハ、と耳障りな笑い声。

「ならリイエンに触ってる、その汚ねェ手を離せ」

レンバルトの言葉に、馬鹿にしたように男が嗤う。

「フン…アイツの娘なんてこんな面白い玩具、手離せるかよ!」

男の言葉に、レンバルトがギリ、と奥歯を噛み締めた。

……ねぇ、待って。

何を話しているのか分からない。

だけど。

(娘に手を出さないって何)

(この目はアイツがくれた?)

(そのアイツの、娘)

凍りついたような首を巡らせて、背後の男の顔を見る。

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