吸血鬼と紅き石

第十二章

再会

「きゃっ！」

バリバリという轟音と破裂音と共に、足元の床に穴が開く。

リイエンの足元に穿たれたそれは、大きく開いた口から黒い煙を吐き出し、圧倒的な熱で溶かされた事を示すように焦げ付く嫌な音を立てながら未だ蕩けている。

まるで落雷か、噴火した火山口のような有様だ。

その力を揮ったのはザーディアス。

「フン、上手く避けたようだな」

レンバルトと同じく美声の、だが彼とは違う傲岸不遜を漂わせた声。

「……ザーディアス…」

立ち上る煙越し、睨みつけた相手はクククと喉を鳴らしてみせる。

「何も出来ない小娘が」

何を意気がる、と言外に言われているのが分かる。