吸血鬼と紅き石
苦しんでいるようだが、その身には何ひとつ外傷はない。
(意識…?残っている…?)
先程ザーディアスが口にした言葉と、何かを堪えるような様子を見ていれば、男に何らかの苦しみを与えているのがその身体の内部からなのだという事がぼんやりと分かるだけだ。
自分達の周りには、他者の姿も、気配もない。
咄嗟の事に動けぬ自分と、何やら苦しんでいる男がいるだけだ。
自分が目を閉じている僅かな間に何が起こったのだろうか。
「クソ…ッ、一度ならずも二度も俺の邪魔をするのか、オルフェルト…ッ」
何が起こっているのか分からない、呆然としているだけのリイエンの前でザーディアスが力なく呻いた。
(意識…?残っている…?)
先程ザーディアスが口にした言葉と、何かを堪えるような様子を見ていれば、男に何らかの苦しみを与えているのがその身体の内部からなのだという事がぼんやりと分かるだけだ。
自分達の周りには、他者の姿も、気配もない。
咄嗟の事に動けぬ自分と、何やら苦しんでいる男がいるだけだ。
自分が目を閉じている僅かな間に何が起こったのだろうか。
「クソ…ッ、一度ならずも二度も俺の邪魔をするのか、オルフェルト…ッ」
何が起こっているのか分からない、呆然としているだけのリイエンの前でザーディアスが力なく呻いた。