吸血鬼と紅き石
「―――チッ」
鋭い舌打ちを漏らした青年は、忌々しげに降り立ったばかりの空間を睨み付けた。
青年の周りは古さを感じる石造りのような壁が占めるのみ。
見上げても果てのないように感じるそれは、きっと宙から眺めてみたとて同じ事だろう。
この空間にいるはずのリイエンを追って飛び込んでみれば、迷路のようなこの有様。
「結界か…。ザーディアスの馬鹿が、中々面倒なモン張ってくれてんじゃねーか」
苛立ちを隠しもせずに口悪く罵るのは、銀にも見紛う灰色の髪と瞳の持ち主――――レンバルトだ。
確かに自分と同じ空間にリイエンがいる―――そう分かるのに、彼の侵入を防ぐようにぐるりと幾重にも結界が張られているのだ。
鋭い舌打ちを漏らした青年は、忌々しげに降り立ったばかりの空間を睨み付けた。
青年の周りは古さを感じる石造りのような壁が占めるのみ。
見上げても果てのないように感じるそれは、きっと宙から眺めてみたとて同じ事だろう。
この空間にいるはずのリイエンを追って飛び込んでみれば、迷路のようなこの有様。
「結界か…。ザーディアスの馬鹿が、中々面倒なモン張ってくれてんじゃねーか」
苛立ちを隠しもせずに口悪く罵るのは、銀にも見紛う灰色の髪と瞳の持ち主――――レンバルトだ。
確かに自分と同じ空間にリイエンがいる―――そう分かるのに、彼の侵入を防ぐようにぐるりと幾重にも結界が張られているのだ。