吸血鬼と紅き石
闇は真白い空間をざわざわと騒がせながら、おびただしい速度で広がって行く。

広がる闇が、空間ごと空気を変える。

肌を刺すように感じるこれは、恐らく殺気だろう。

項の毛が、チリチリと逆立った。

恐らくここで、今から闘いが始まるのだ。

そうなると、自分はどうすればいい?

闘いの行方は見たい。

だが、どう転んでも足手纏いになるのは分かっているが、ただ彼の重荷になっているのだけはごめんだ。


< 225 / 263 >

この作品をシェア

pagetop