吸血鬼と紅き石
「黙れ、人間如きに堕した貴様など、王などと呼ばれる資格すらない!」

怒号のまま怒りを増す剣を、レンバルトは腕を振り払う仕草で往なす。

「別に呼べなんて言った覚えはねェし…お前らが勝手に呼んでるだけだろう」

知った事ではない、とレンバルトは興味なさ気に呟く。

「地位にも力にも興味はねェ。あるとしたら…リイエンだけだ」

きっぱりと不遜に傲慢に、王と呼ばれる青年が断言した。

「ほざけ、レンバルト!」

キィン、と爪と剣が斬り結ぶ。

「貴様の戯言はもう聞き飽きた!」

剣に怒りの力を叩きこんでザーディアスが吠える。

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