吸血鬼と紅き石
「うるせェな、いちいち俺の言動一つ一つにキャンキャン反応しやがって」

爪とは思えぬ硬度で受け止めて、跳ね返して。

近付いては離れる間に、互いの身体に細かな傷が増えていく。

「貴様の台詞などもう聞く者などおらぬわ!」

「だからうるせェ、ってんだよ!」

ザーディアスの咆哮に、レンバルトが忌々しげに切り返す。

「ただ…」

ザーディアスの手の内の剣が、形を変えた。

今度は闇色の鞭となったそれがレンバルトに襲いかかった。


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