吸血鬼と紅き石
「だ、大体折角作った料理も冷めちゃうし…第一、洗い物だって片付かないんだから!」

一気にまくし立てたてて青年を見上げる。

「だから…お互い謝って、それで終わりにしたいの。…ダメかしら?」

仲直りの印をと、手を差し出したまま青年の反応を窺うように眉を下げる。

ポカンと呆けたままだったレンバルトがそれに吹き出し。

「…っ、な!」

リイエンは思わずカチンと来て、青年を睨み付ける。

(人が謝って流そう、って言ってるのに、笑うなんてどんな了見よ!)

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