吸血鬼と紅き石
リイエンをからかう、人を食ったような態度が気に食わないけど。

「本当、子供扱いはやめて欲しいったら」

レンバルトが出掛けて不在なのを良い事に、リイエンはそう呟いて溜め息を吐く。

最近、レンバルトは良く出掛ける。

どこに行くかは言わないし、聞かない。

けれど出掛ける前に何時も『保険』だと言って、リイエンの唇に優しく指で触れて行く。

『あれ』は慣れない。

レンバルトの言動一つ一つに一喜一憂してしまう最近は特に。

リイエンはカップをテーブルに置いた指で己の唇をなぞる。

触れられるのが、嫌ではないのもいけない。


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