吸血鬼と紅き石
自分にとっては子供扱いだとしか思えない、頭を撫でるあの大きな手が何故だか心地良いと思えてしまうのだ。

だけど一番いけないのは、最近レンバルトの自分を見る目がやたら穏やかで優しいモノになった事だと思う。

あの瞳に見つめられる度に、心臓がやたらと騒いで落ち着かない。

原因は、分からない。

…分からないからこそ厄介なのだ。

リイエンはハァ、と心の底から困惑を現すように重い溜め息を吐いた。

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