吸血鬼と紅き石
第四章

子供

「…で?“ソレ”は何だ?」

一人不機嫌なレンバルトの前で、リイエンは答えに窮する。

そんなリイエンの服をしっかり掴んで、その背後からレンバルトの様子を窺うのは小さな少女。

「しかもソイツ、村にいた奴だろう」

レンバルトの言葉に、リイエンは小さく頷く。

そう、この自分の背後にいる少女は父、オルフェルトの墓参りに再度村を訪れた際、リイエンを村を襲った犯人だと糾弾した子供の一人だ。

「もう一度聞く。ここは時空の狭間にある俺の城だ。人間は、ここを知る事もねェ所か入っちゃ来れねェ場所だ」

レンバルトの言葉に、リイエンの服を掴む子供の力が強くなる。

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