吸血鬼と紅き石
レンバルトはそうでもないが、ターニャはレンバルトを避けている、というより嫌っている。

(まあ確かに吸血鬼に村を襲われたのに、吸血鬼に懐く方が不自然だけど)

レンバルトもそんなターニャの様子を面白がっているようにも見えるからいけない。

リイエンの本音からすると、二人が仲良くしてくれた方がやはり助かる。

疲れも手間も、見違えるように減るだろうからだ。

「あァ、変わった事はなかったか?」

これも聞き慣れてしまったレンバルトの言葉にリイエンが頷けば。

「なら良かった。冷めない内に飯にするか」

ポン。

これまた手慣れた様子で軽く頭を撫でられる。

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