吸血鬼と紅き石
「ええ、そうね」

リイエンは頷くと未だ腰にしがみ付いている、子供の癖っ毛を撫でる。

「ターニャ」

リイエンの言葉に促されるようにターニャが伏せていた顔をおずおずと上げた。

「お腹減ったでしょう?ご飯にしましょう」

年相応、そばかすの浮いたその顔に声を掛ければ。

ぎゅう。

傍らのレンバルトを睨んでリイエンの腰にまるで自分のものだと主張するようにますますしがみ付く。

対してレンバルトはフン、と愉しげに鼻を鳴らし、彼女が届かないリイエンの頬に掌で優しく触れてみせる。

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