吸血鬼と紅き石
ハァ。

リイエンはその様子に溜息を吐いた。

本当、勘弁して貰いたいモノだ。

子供と、子供のような男の間に挟まれていい加減うんざりした気分を味わう。

ハァ、ともう一度溜息を吐き出すと気を取り直して。

「2人とも、食事はいらないのね」

レンバルトとターニャ、それぞれの顔を見回してリイエンは尋ねる。

「やだ!いる!」

即座に反応するのは年端のいっていないせいか素直なターニャだ。

対するレンバルトは。

「冗談だよ、冗談」

相変わらず愉しげな表情でそう肩を竦めてみせる。

< 74 / 263 >

この作品をシェア

pagetop