吸血鬼と紅き石
「ならご飯にしましょ。ターニャは先に席に着いてて貰えるかしら?」

未だ腰に抱き付いているターニャに離すようにやんわり伝える。

今度は素直にコクンと頷いてリイエンから手を離し、食事の用意が整った広間へと駆けて行く。

その小さな後ろ姿を見送って。

ハァ。

リイエンは、もう一度溜息。

「…レンバルト。子供と張り合うのはやめてちょうだい」

「あァ、悪ィ。お前と一緒で逐一反応返ってくんのが楽しくてよ」

咎めるリイエンに、あっさりと楽しんでいる事を白状する。

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