スマイルジャンキー。
後ろからあたしのケータイを覗き込んだ大谷くんは。



「彼氏??」


と聞いてきた。



「違うよ。バンドのリーダーから。あの人時間にはうるさいの。」



「へー。電話しなよ。」



あたしはその通りだと思って電話してみた。



ワンコール目の途中でリーダーが出た。



「もしもしっ!!涙っ。今ドコに居んのぉ。」

「大谷くんの家??」

「はっ!?あんた練習すっぽかして男とナニしてたの!?」

「ナニって。カタカナで言わないでよ!!あたしは寝てただけだから!!」

「ねてたって。大谷くんと一緒にベッドでヤってたの!?」

「ヤってないっ!!あたしはまだちゃんと処女ですっ!!」

「へー。神崎さんって大声でそんな事言えるんだ。大胆だねー。」


しまった。大谷くんの事を完璧に忘れてた~。


「も~。ヤダ~。あたしはただ自転車にはねられただけなの!!」

「はっ!?だったら病院行きなさいよっ!!」

「だって~。勝手につれてこられて~。」

「あんたの話は意味が分かんないのっ!!その大谷くんと一緒にスタジオの近くのファミレス来なさいっ!!」


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