風とウルフと忘れた過去
また笑ってる…
笑った。
笑ってくれた。
俺は嬉しくてニヤっと笑った。
「あははっ!藤原っちは面白いね。
私の名前は小柳マユ。藤原っちと同じ剣道部でしかも先輩なんだけどなぁ…」
ニヤニヤしながらあの人は言った!
俺は即座に正座して手をついて頭を下げた。
いわゆる土下座というやつだ。
『もっ、もっ、申し訳ありませんでした!!私としたことが先輩とも気付かないなんて!!』
俺は人間世界ではちゃんと女として振る舞っているため俺ではなく私と言う。
昔、知子に教えられたから今でも言いつけを守っている…。
「いいよ~、入部の時に自己紹介して以来休んでたからね。もう夏休みだからだいぶ時間も経ってるししょうがないよ。」
先輩は笑って言ってくれた。
たしかに先輩の横には学年色が赤のサブバックが横に置いてある。俺は学年色が青だから一個上だということがわかる。
『先輩はなんで私のことを知ってるんですか?』
言ってから気付く。
同じ部活だから当たり前だってことに。
でも先輩は
「さぁ、何ででしょう」
意地悪そうに笑って茶化してきた。
別の理由なんてあるはずない。
「藤原っち」
『はい先輩』
「先輩は堅苦しいからマユっちでいいよ」
『でも…』
「じゃあ小柳さんにして」
『はい…小柳さん』
俺は内心ドギマギしていた。
なにか起きるわけでもないのに…
小柳さんはニッと笑って
「良くできました」
俺もつられてニッと笑った。
笑った。
笑ってくれた。
俺は嬉しくてニヤっと笑った。
「あははっ!藤原っちは面白いね。
私の名前は小柳マユ。藤原っちと同じ剣道部でしかも先輩なんだけどなぁ…」
ニヤニヤしながらあの人は言った!
俺は即座に正座して手をついて頭を下げた。
いわゆる土下座というやつだ。
『もっ、もっ、申し訳ありませんでした!!私としたことが先輩とも気付かないなんて!!』
俺は人間世界ではちゃんと女として振る舞っているため俺ではなく私と言う。
昔、知子に教えられたから今でも言いつけを守っている…。
「いいよ~、入部の時に自己紹介して以来休んでたからね。もう夏休みだからだいぶ時間も経ってるししょうがないよ。」
先輩は笑って言ってくれた。
たしかに先輩の横には学年色が赤のサブバックが横に置いてある。俺は学年色が青だから一個上だということがわかる。
『先輩はなんで私のことを知ってるんですか?』
言ってから気付く。
同じ部活だから当たり前だってことに。
でも先輩は
「さぁ、何ででしょう」
意地悪そうに笑って茶化してきた。
別の理由なんてあるはずない。
「藤原っち」
『はい先輩』
「先輩は堅苦しいからマユっちでいいよ」
『でも…』
「じゃあ小柳さんにして」
『はい…小柳さん』
俺は内心ドギマギしていた。
なにか起きるわけでもないのに…
小柳さんはニッと笑って
「良くできました」
俺もつられてニッと笑った。