風とウルフと忘れた過去
それからここが何処なのか、何故ここに来たのか、自分はどうなったのか…聞きたいことに小柳さんはほとんど答えてくれた。

ただ一つを抜かしては…


“何故貴方が私に付き添ってくれているのか…”


これだけは答えてくれなかった。

うまいこと誤魔化され丸め込まれてしまった俺。


ホントは無理に聞くのは辞めたんだ。

理由は何にせよ小柳さんが俺の側にずっといてくれたという事実は変わらないから…


辺りは暗くなり時計は9時を指していた。

俺たちは病院を後にした。
さっきの猫まねで元気になったと理解して病院を出る許可を小柳さんがとって来てくれたらしい。
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