three times love
「ナーオ」




すぐ後ろから



レイの声がした




振り返り際に私は



勢いよくケンジの手を払った





『あっ…ごめん』




ケンジは何も返さなかった




「ナオ携帯は?」




レイの言葉にようやく気付いた












鞄も財布も携帯も持ってない…





「やっぱり」





私が慌ててるとレイはそう言った





「財布も持たずに何しようとしてたのかなぁ」






うっ






『すいませんでした』




「心配しただろ」





そう言ってレイは笑った







よかった







またレイの笑顔を見れて






『ごめんなさい』




「ケンジも怖がりなのに怖がり二人が飛び出すと誰でも心配するから」




「うっ」





レイの言葉にケンジも何も返せずにいた





「ナオが無事ならそれでいい」




「オレは?」




「お前は知らん」




「レイちゃん酷い」




「レイちゃんって言うな気持ち悪い」





よかった






二人ともここにくる前と変わってない







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