three times love
『ごめん』




私は




携帯の履歴を眺めながら呟いた




「もういいよ。色んな意味で無事なら」




『色んな意味って?』




「秘密」




『ケチ』




「ケンジと泣いてたらどうしようかと思った」




うっ





「ナオ方向音痴だしこの辺久しぶりにくるだろ。道迷ったらどうしようかと思った」





うっ





レイの言葉に



あり得る事だと納得してしまって





私は




何も返せずに




レイに背を向けたまま





ただ




着信履歴を眺めていた






「何回電話しても出ないからホント焦った」













『ごめんなさい』








< 113 / 363 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop