アオイハル
プロローグ
椅子に腰掛けていた私は、窓から屋外に視線を向けた。



5月の青い空に、新緑がキラキラと眩しい。



閑静な高級住宅街に生まれ育った私の家にも木々は多いけれど、今いる場所は山間の木々に囲まれた建物の中。



まるでペリドットのような輝きに、私の口から言葉が零れた。



「綺麗…。」



「あらあら、景色を見るのでなく鏡を見てご覧なさいな。」



「とても綺麗な、花嫁さんですよ。」



お母様たちが、おっしゃった。





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