アオイハル
「聖愛?」
兄に、見つかった。
「あ、お兄様…。」
周りを囲んでいた女子たちから抜け出した兄は、私の方へ向かってきた。
「こんなとこで何して…。」
「葛城の妹!?
てっきり待ち伏せしてるコの1人だと…。」
「マジで?
似てないなー。」
兄の言葉に被せるように発せられた言葉は、言われ慣れているとはいえ不快感を覚えた。
私たちを兄妹だと言い当てた人は、いない。
私を囲んでいた男子たちは、今は兄を囲んで何やら話している。
兄は彼らを軽くあしらうと、私の腕を掴む。
「行くぞ、聖愛。」
「葛城、待てよ!」
「妹、紹介しろよー。」
男子たちの言葉を背中で聞きながら、私は兄に引っ張られるままにされていた。
ひとつ角を曲がったところで立ち止まり、兄は私の方を向き直る。
「何で、あんなとこにいるんだよ!」
なぜか、兄は怒っていた。
昨日のことを話したら、余計に怒られそうだから言えそうにない。
困り果てて俯いていると…。
「もしかして、一緒に帰りたくて待ってた?」
違うなんて言えば余計に聞かれそうだから、黙っていた。
「聖愛、拗ねるなよ。
怒って悪かった。
だけどさ、うちの学校にはもう近寄るな。
お前は可愛いから、悪い虫追っ払うの大変なんだよ…。」
可愛いって…私が?
理解できない兄の言葉に、私は首を傾げるだけだった。
兄に、見つかった。
「あ、お兄様…。」
周りを囲んでいた女子たちから抜け出した兄は、私の方へ向かってきた。
「こんなとこで何して…。」
「葛城の妹!?
てっきり待ち伏せしてるコの1人だと…。」
「マジで?
似てないなー。」
兄の言葉に被せるように発せられた言葉は、言われ慣れているとはいえ不快感を覚えた。
私たちを兄妹だと言い当てた人は、いない。
私を囲んでいた男子たちは、今は兄を囲んで何やら話している。
兄は彼らを軽くあしらうと、私の腕を掴む。
「行くぞ、聖愛。」
「葛城、待てよ!」
「妹、紹介しろよー。」
男子たちの言葉を背中で聞きながら、私は兄に引っ張られるままにされていた。
ひとつ角を曲がったところで立ち止まり、兄は私の方を向き直る。
「何で、あんなとこにいるんだよ!」
なぜか、兄は怒っていた。
昨日のことを話したら、余計に怒られそうだから言えそうにない。
困り果てて俯いていると…。
「もしかして、一緒に帰りたくて待ってた?」
違うなんて言えば余計に聞かれそうだから、黙っていた。
「聖愛、拗ねるなよ。
怒って悪かった。
だけどさ、うちの学校にはもう近寄るな。
お前は可愛いから、悪い虫追っ払うの大変なんだよ…。」
可愛いって…私が?
理解できない兄の言葉に、私は首を傾げるだけだった。