どくんどくん2 ~あの空の向こう~
「病気は・・どうなんですか?僕も気になっていろいろ調べたんですが、ストレスが原因って。」


「ストレスとか、環境の変化とか、いろいろ言われているけど、現代病みたい。パニック障害って言うんだって。薬を飲むまでは、毎日ずっとパソコンの画面の前で座ってた。話しかけても、返事もできないような状態だった。外に出ようと言っても、今日はしんどいと言って、家から出なかった。」

みずきさんは涙をこらえながら話し続けた。

「私も、いつまで続くのかって何度も不安で泣いてたんだけど、私が彼を助けなきゃって思ったの。保健所に相談に行ったら、心療内科を紹介してくれたの。心の病って亮ちゃん自身は思いたくなかったと思うんだけどね。でも、先生に話し終えた亮ちゃんは、すごく明るい顔してた。それから、薬で少しずつ病気を治していくっていう2人の目標ができた。」

知らなかったことを一気に知ってしまい、僕の心臓はどくどくと激しく動き出した。


「今も、薬を飲み忘れるとめまいや頭痛がする状態なの。でも、元気で明るい亮ちゃんに戻ったから私嬉しいの。でもね、私も人間だから自分もかわいいのよね。自分のしたいことができなかったり、夢が遠くになっちゃったりでイライラしちゃうこともある。不安もいっぱいある。」


ユキは、真剣なまなざしでみずきさんを見つめていた。


「薬ってそんなに効くんですか?ずっと飲み続けるの?」

僕の質問は、みずきさんにとって辛い質問だったかもしれない。

みずきさんは大きく深呼吸をして話してくれた。

「それが次の悩み。元気になったのは、いいけれど薬をやめるときにとても苦しい思いをするかもしれない。それに、副作用もあるから・・・。」

みずきさんは、小さくため息をついた。


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