どくんどくん2 ~あの空の向こう~
眠っているゆうじの頬にそっと触れると、ぬくもりが伝わってきた。
僕らの足音に気付いたのか、ゆうじは目を開けた。
「あ・・ハル君とユキちゃん。来てくれたんだ。」
体は細くなっていたが、笑顔はいつも通りで安心した。
「どう?しんどくない?」
「うん。大丈夫だよ。暇だから、新しい歌がいっぱいできちゃったよ・・。」
「楽しみだな!!今日はゆうじに報告があるんだ!」
僕はわざとらしい咳払いをして、息を大きく吸い込んだ。
「実は、僕とユキ結婚することにした。」
ゆうじの笑顔は、夏を待ちわびていたひまわりのようだった。