どくんどくん2 ~あの空の向こう~
第23話(心の中のひまわり)
初夏を迎える頃、ぼくはやっとゆうじのお墓参りに行くことができた。
そして、ゆうじが亡くなってから発売されたアルバムを、やっと聴くことができた。
そのアルバムの最後の曲のタイトルは、『友へ』
死んでしまうことをゆうじはわかっていたのかと思うような歌詞。
かなり前に書かれたであろうその歌詞に、ゆうじの死への恐怖や辛さは感じなかった。
ただ、みんなへの感謝やありがとうの気持ちだけだった。
「ハルへの歌だよ、きっと。」
ユキは泣き虫の僕を抱きしめてくれる。
「ユキ、僕らがゆうじを忘れない限り、ゆうじは生きてるんだよな。」
ユキは、涙をこぼさないように上を向きながら、頷いた。