どくんどくん2 ~あの空の向こう~

オレンジジュースの入ったグラスを2つ持ちながら、僕の隣に座る。

「ハルは?」


もしかして、少し不機嫌?


ユキは、鋭い視線で僕を見た。


「僕は、その場で水野さんに言ったよ。有り得ないって!!僕にとって、ユキが唯一の存在なんだ。ユキ以外なんて・・・しかも、気持ちのない行為ほど空しいものはないって思う。だから、風俗とかにも興味ない。」


ユキの鋭い目にびびった訳ではないのだけど、僕は熱く語ってしまった。


「ふ~ん・・そっか。良かった。しかも、私がハルしか経験ないってどうしてわかるの?」


・・・・・??


思わぬ発言に眩暈しそうになった。


「え????どういう意味?僕が初めてだよな?」

「くくくく・・・冗談だよ。ハル、かわいいねぇ~。」


ユキは僕の髪をくしゃくしゃにしながら笑った。


「マジで??・・・タケと・・何もなかったよな?」


僕は、恐る恐る聞いて見たが、ユキは目をそらしてトイレに行ってしまった。


これは、何かある。

僕はそう感じ、トイレの前から叫んだ。


「お~い。ユキ!!時効にしてやるから、話してみ~~!!」

「エッチ!!おしっこの音聞こえるからあっち行って!!」

「嫌だ!!話してくれるまで、ここ動かないから。」





< 151 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop