どくんどくん2 ~あの空の向こう~
「私のいた世界は嘘が多かった。嘘というか、権力のある人に皆いやなことは言わないようにする。陰でどんなこと言われてるかなんて、すぐに耳に入る。そんな世界でストレスがたまり、酒に逃げたというのは言い訳になるが・・。実は、今回はもう酒に逃げる気はしないんだ。」
「え?じゃ・・どうして離婚なんて・・・」
「もう大丈夫だって自分では思ってるんだがね。前回退院したときはもっと自信があったんだ。今度こそ人生やり直すぞってね。新しく始めた老人ホームでの仕事も自分にはなかなか合ってると思った。それなのに、本当に・・つい・・なんだ。つい酒に手が出た。今飲んでも、暴れたりしない自信もあったのかもしれない。あの時、もし飲酒運転で捕まってなかったら、あれっきりお酒は飲まなかったかもしれない。でも、飲んだ自分が悪い。しかも運転するなんて・・。
情けない・・。」
「ユキもそれはよくわかってると思います。お酒が飲みたくて仕方なく飲んだなんて思ってない。老人ホームのみんなとの飲み会で、勧められて、もう大丈夫だろうという気持ちで飲んだって言ってた。だから、それは治った証拠だって。」
2杯目のコーヒーをおかわりしたお父さんは、スプーンでずっとコーヒーを混ぜていた。
「え?じゃ・・どうして離婚なんて・・・」
「もう大丈夫だって自分では思ってるんだがね。前回退院したときはもっと自信があったんだ。今度こそ人生やり直すぞってね。新しく始めた老人ホームでの仕事も自分にはなかなか合ってると思った。それなのに、本当に・・つい・・なんだ。つい酒に手が出た。今飲んでも、暴れたりしない自信もあったのかもしれない。あの時、もし飲酒運転で捕まってなかったら、あれっきりお酒は飲まなかったかもしれない。でも、飲んだ自分が悪い。しかも運転するなんて・・。
情けない・・。」
「ユキもそれはよくわかってると思います。お酒が飲みたくて仕方なく飲んだなんて思ってない。老人ホームのみんなとの飲み会で、勧められて、もう大丈夫だろうという気持ちで飲んだって言ってた。だから、それは治った証拠だって。」
2杯目のコーヒーをおかわりしたお父さんは、スプーンでずっとコーヒーを混ぜていた。