どくんどくん2 ~あの空の向こう~
ユキ以外の異性とこんな風に接することが初めてだったせいで、僕はこれが恋ではないかと思うくらいにドキドキしてしまっていた。
僕は、爪楊枝がない事に気付いた。
手でからあげをつまんで、さゆりさんの口へ運ぼうとした時だった。
勢い良くから揚げに食い付いたさゆりさんは僕の指まで・・・
「じん君の指食べちゃった~!!」
これがもし作戦か、男を落とす手段なのだとしたら、この人はすごい人だと思った。
僕は、それが自然のさゆりさんの姿であって欲しいと願った。
僕もしゃがみ込み、2人でから揚げを食べた。
「薄暗いから、キツネ色かどうか見えないから不合格~!!」
さゆりさんはそう言って、尻餅をつく大笑いしてた。
「今日のは、絶対にキツネ色ですって!!」
僕は、さゆりさんに早く褒めてもらいたいと思っていることに気付いた。
まんまと、さゆりワールドにハマってしまっているのか?
「うそだって!!合格!!よくできました、じん君。ごほうびに何欲しい?」
いつの間にか体育座りをしているさゆりさんは、膝の上に置いた腕に顔を乗っけて僕を見つめていた。
バイト中の顔とは明らかに違う種類の顔をしていた。
恥ずかしがることもなく、瞬きもせず僕の目をじっと見つめていた。
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