どくんどくん2 ~あの空の向こう~
僕は、咄嗟に立ち上がり我に返った。
一瞬、僕とさゆりさんは熱い目で見つめあってしまった・・・。
あの目は、普通の目じゃなかった。
僕に何かを言わせようとしている目。
僕は、こんな気持ちになっている自分が許せないと思いつつも、さゆりさんへの興味が膨らんでいくことを止められなかった。
「からかわないでくださいよ。」
僕は、平静を装いながらそう言ったが、僕のこのドキドキをさゆりさんに気付かれているような気がした。
さゆりさんに、手を引っ張られ・・僕はまたしゃがみ込んだ。
さゆりさんの視線が僕の左半身を硬直させていた。
できるだけ、さゆりさんを見ないように前を向いていたが、かすかに映るさゆりさんを意識せずにはいられなかった。
「もう1個ちょうだい。」
さゆりさんの言葉に、僕はから揚げをもう一つ口へと運ぶ。
今度は、僕の指に唇が当たることはなかった。
その時、少しがっかりしている僕に僕は無性に腹が立った。
・・・・・
その時だった。
コンビニの前の道を歩くユキの姿を見つけた。