どくんどくん2 ~あの空の向こう~

さゆりさんは、どう見てもコンビニの仲間という雰囲気ではなかった。

特に今日のさゆりさんは、夜なのにどうしてそんなに気合入れているのかと思う位だった。


その理由は、コンビニへ自転車を取りに行った時知る事となる。



「じん君、フラれてやんの~!!なぐさめてあげよっか?ふふふ。」


さゆりさんは、僕を元気付けてくれようとしてるのか、本当に楽しんでるのかわからないようなハイテンションだった。


「・・・もう僕帰ります・・・。また明日。」


僕は、頭の中が整理できないまま自転車に鍵をさす。


「な~んだ。もう帰るの?あたしに会いたくなったらここに来て!」


そう言って、さゆりさんが差し出したのは・・・


名刺だった。




僕はそのへんの事は詳しくないのでわからないが、キャバクラなのか、風俗なのか。



明らかに、夜の香りのする名刺を受け取った僕は、そこに書かれた名前を見た。



『さゆり』







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