どくんどくん2 ~あの空の向こう~
第28話(突き放せない存在)
目覚めてすぐに、僕はユキに電話をかけた。
何度も何度もかけた。
だけど、ユキの声を聞くことはできなかった。
あの日のことを思い出す―
遠い記憶が甦る・・・・
ユキが僕の前から突然消えたあの日・・・
繋がらない電話に、僕の心は消えそうになった。
僕は、朝食を用意しようと立ち上がり、冷蔵庫を開けた。
・・・・・・・!!!!
僕は、大声で泣いた。
「うぅ・・ユキ・・・ごめん・・ユキ・・」
冷蔵庫の中にチョコンと置いてあったのは、ケーキの上に乗せようとユキが作ったプレートがあった。
ホワイトチョコの上に、チョコペンで書かれた…
『祝★4周年!!ハルLOVE』の文字。