どくんどくん2 ~あの空の向こう~
ガチャ・・
「あら~~?いらっしゃい。どうしたの?」
出てきたのは、ユキのお母さんだった。
「ユキさん、いますか?」
僕は、もし帰ってなかったらどうしようと不安になった。
「え?ハル君と一緒じゃないの?うちには、もう1週間以上顔出してないけど・・何かあった?」
「・・・すいません。ちょっとケンカしちゃって。多分ユミちゃんとこだと思います・・。」
「ケンカなんて珍しいわね。ユキは、怒ると怖いからちゃんと大事にしてもらわないと・・。私からも連絡しとくわ。ごめんね、わざわざここまで・・」
僕は、車の中でユキへの気持ちを整理して、改めて、ユキしかいないと思った。
今なら言えた。
だけど、ユキには会えなかった。
それから、僕の携帯にユミちゃんから連絡が入り、しばらく泊めると冷たく言われた。
僕は、ユキと話したかった。
早くこの気持ちを伝えないと、取り返しが付かないことになりそうで怖かった。
電話をしても、出てくれなかった。