どくんどくん2 ~あの空の向こう~
結局、僕はその日も1人の夜を過ごすことになった。
ユキの作ってくれたクリームシチューの残りを温めながら、ユキへの気持ちが溢れそうになる。
一口ずつ味わって食べた。
ユキの愛情が伝わってくる・・・。
ユキは毎日毎日、僕の為にご飯を作ってくれる。
どんな気持ちで僕にご飯作ってくれていたのだろうか。
それなのに、僕はちょっとした好奇心か、興味なのか・・・
他の女性を女として意識した。
「怒られて、当然か・・」
僕は、もうバイトをやめるつもりでいた。
バイトを続けている限り、さゆりさんと顔を合わすことになる。
今後、またユキに誤解されたくないし、僕自身ももうさゆりさんを知りたくないんだ。
これ以上、さゆりさんの存在を大きくしたくはない。
僕は、インターネットでバイトを探しながら、携帯を気にしていた。
かかってこないユキからの電話・・・
僕は、学校帰りに寄れる場所にあるガソリンスタンドのバイトを見つけた。
時給も結構良いし、体動かすのは得意だし、愛想笑いもうまい方だ。
善は急げ。
早速電話をかけると、後日面接に来るようにと言われた。
こういう時、自然に手が携帯でユキにメールを打とうとしてしまう。
返事がないことはわかっているけど、送信。
≪学校の近くのガソスタのバイト見つけた。今度面接行ってくる。コンビニは今月でやめるよ。元気かどうか、心配。メールください。≫