どくんどくん2 ~あの空の向こう~
メールの返信を待つのが辛かった僕は、すぐにシャワーを浴びた。
いつもより、熱めのお湯で体中を綺麗に洗った。
僕は、昨日までの自分にさよならしたかったんだ。
シャワーを浴び終わり、期待せずに携帯に目をやると・・・
不在着信1件。
ユキからの電話だと喜んで、着信履歴を見る。
『さゆりさん』
僕の目に映った文字は、自分で登録したさゆりさんの名。
どうして、こんな時に電話なんてかかってくるんだろう。
生まれ変わった僕を、振り回すのはもうやめてくれ。
僕は、冷蔵庫からユキの作ってくれた麦茶を出し、グラスに注ぐ。
絶対にかけ直さない、と心に決めた僕だった。
しかし、もしバイトの事だったら・・・等と頭の片隅で誰かがささやく。