どくんどくん2 ~あの空の向こう~
もう寝るしかないか。
僕は、一人ぼっちのベッドに寝転んだ。
その時、再び携帯に着信。
ユキからの電話は、音楽を変えてあるからすぐわかる。
きっと、さゆりさんからだ。
寝たふりをしようと、電話には出なかった。
しかし、それから何度も何度も1分もしないうちに電話がなった。
何か急用かもしれないと、僕はベッドから起き上がり、電話に出た。
『もしもし・・』
『じん君?・・お願い。今から会えない?』
電話の向こうで、さゆりさんは泣いていた。
何があったか知らないが、僕に頼るのはお門違いだ。
僕に彼女がいることも知っていて、どうして僕に電話をかけるんだ?
『ごめん。無理ですよ。もう11時だし、僕も困る。』
『・・・お願い・・・。少しでいいから。コンビニの横の公園まで来て・・』
僕は、女の人の涙に弱いのか、結局はさゆりさんを放っておけなかったのか・・・