どくんどくん2 ~あの空の向こう~
ユキのお母さんが作ってくれたからあげをほおばりながら、
久しぶりの再会を楽しむ僕達。
お父さんは、散歩に出かけたまままだ戻ってこない。
『ピンポーン』
玄関のドアの向こうに懐かしい笑顔があった。
「ハル君、元気だった?なかなか会えなくて僕寂しかったよ!!」
ゆうじが元気いっぱいに笑った。
ゆうじに抱きつきたいくらいに嬉しかった。
車椅子を押す手つきも慣れた大野君は、一段と大人っぽくなってた。
「大野君、髪染めたんだ!なんか芸能人って感じじゃん!!」
「あ~~!ほんとだ。かっこいい!!全然雰囲気変わったね。」
「背も伸びた?成長期遅くね~?」
2人とも、頑張ってるんだな。
顔見たらわかる。
昔とは全然違う目をしている。
自信と希望に満ち溢れたキラキラした瞳。
「僕、彼女できたんです!事務所のバイトに来てた人で・・・。」
照れながらの大野君の爆弾発言にみんなからの質問攻め。
「えぇ~~~~?まじで??」
「写真見せて!!」
「すごくきれいな人だよ。大野君とお似合いなんだ。」
ゆうじがニヤニヤしながら、大野君を見上げた。
「今日は新曲聞いてもらいたいんだ。ユキちゃんのお父さんどこ?」
「あ~、散歩行ってる。もう帰ってくる頃かな。」
その時、玄関のドアが開いた。