どくんどくん2 ~あの空の向こう~
ちょっとやばいメールなんだと、僕は予想した。
これ以上問い詰めるのは、男らしくない。
非常に気にはなるが、何も聞かないでおこう。
「ごめん、ユキ。疑ってるわけじゃないんだ。せっかく久しぶりに会えたのにごめん。」
「さっきの電話の人からのメール・・。」
「メールもしてるんだ・・・。」
なんだか嫌な雰囲気だ。
僕ら今までこんな空気になったことなかった。
いつも言いたいこと言い合って何でも隠さず話してた。
今は、お互いが探り合ってるような・・。
「ハル、明日の先輩の追い出し会の後、迎えに来てくれないかな?」
「でも、そんなところに彼氏が行くのって感じ悪くない?知らない人ばっかりなのに。」
「ハルのこと、みんなに紹介したかったんだけど。嫌ならいいの・・。」
「嫌ってわけじゃないけど・・。」
「さっきの電話の人にも、ちゃんと会って欲しかったの。会ったら、ハルも心配なんてしなくなると思うんだ。すごく面白い人なんだよ・・ 年上なんだけど・・。」
「もういいって!!」
僕はユキの話の途中で言葉をさえぎってしまった。
これは、僕らに訪れた初めてのケンカ・・かもしれない。
「ごめん・・ユキ。さっきなんてメール来たの?」
ユキは今にも泣きそうな顔で下を向いていた。
「明日、帰り送ろうかって。」
その男はきっとユキを狙ってるに違いない。
そして、ユキもそのことを感じ取っている。
僕を紹介したところで、その彼があきらめるだろうか。
ユキも、少しは気になっているのかもしれない。
あぁぁ。
今日の僕はダメだ・・・。
これ以上ユキといても、今日は傷つけてしまうだけだ。