どくんどくん2 ~あの空の向こう~


そんな!!!


あんなに元気だったじゃないか!!!



「しっかりして、みずきさん。大丈夫だから。とにかく病院に向かおう。用意して。」



僕は、とても不安で泣き出したい気持ちを抑えて、なるべく落ち着いて対応していた。


腰が抜けたように、だらんと動かなくなったみずきさんの肩を抱いて、タクシーで病院へ向かった。



車でも20分かかる距離。

こんなに長く遠く感じるなんて初めてだ。


みずきさんは、決して泣かなかった。



手には、手袋が握られていた。

見覚えのあるその手袋は、去年のクリスマスに僕と一緒に選んだ水野さんからみずきさんへのプレゼントだった。



「神様・・・お願い・・。」


みずきさんは目を閉じて、手袋をぎゅっと握ってた。


僕も、祈った。



神様、どうか水野さんを助けてください。



水野さんに話したいこと、

聞きたいこと、

いっぱいいっぱいあるんだよ。



水野さんはまだこれからたくさんの幸せを育んでいく人なんだよ。

こんなに愛し合う奥さんがいるんだよ。


どうか!!!

神様、水野さんがケロっとした顔で笑ってくれますように・・・。

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