どくんどくん2 ~あの空の向こう~



その時、みずきさんの携帯が鳴った。


それは、救急車に同乗した後輩からの電話だった。

みずきさんは泣き出した。



「そんなこと言わないでって言って。ごめんなんて謝らないで・・ありがとうなんて言わないで・・・。」


みずきさんは手袋を握り締めたまま泣いた。


携帯を渡された僕は電話に出た。



「もしもし・・ハルです。」



「僕、今…水野さんの隣にいるんですけど、ハルっぺに伝えてくれって。ユキちゃんとがんばれって。」



僕も涙が溢れ出した。



「水野さん意識あるんですか??話せるんですか?」


「はい、意識ははっきりしています。ただ、体がしびれて動けなくなって話も聞き取りにくい状況です。」


「大丈夫ですよね!!!!死んだりしないですよね!!」



僕は大声で電話の向こうに叫んだ。


そんなこと聞いても、その人にはわからないってことはわかってる。


でも、そばにいるその人にしか今は頼れない。



「お願いします・・どうか、水野さん助けてください。」

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