どくんどくん2 ~あの空の向こう~
病室へ向かう廊下で、僕と後輩の人は目と目で合図し合い、病室へはみずきさん一人で入ってもらった。
感動の再会に、僕たちはお邪魔虫。
ドラマのように、泣きながらベッドの横で彼の手を握る様子が浮かんだので、僕たちは外の椅子で待った。
涙でぐしょぐしょになったみずきさんが出てきた。
「ハル君達も、入って。」
僕は、待ちわびていたその瞬間なのに、足が重かった。
元気のない水野さんを見たくなかったのかもしれない。
「お~~!2人ともごめんな。心配させて。お前まだ仕事残ってるだろ?ごめんな、こんな時間まで。みんなに大丈夫だって連絡しといてもらえる?」
え??
ええ???
いつもと変わらない笑顔の水野さんに、僕は目を疑った。
「どした?ハルっぺ。俺のために泣いてくれたのか??よしよし。」
水野さんが僕の頭を引き寄せて、ぐりぐりしてくれた。
僕はそのまま顔を上げることができなかった。
涙がどんどん溢れてきた。
また・・・こうして、水野さんと話すことができて・・。
水野さんに会うことができて・・本当に嬉しかった。
水野さんがこの世からいなくなることを考えた時、怖くて怖くて仕方がなかったんだ・・。
「うぐ・・・うぐぐぐぐ・・」
僕は水野さんの大きな胸で泣いた。
「かわいいやつ・・ハルっぺかわいいなぁ。なぁ、みずき。」
そう言って、みずきさんの頭も引き寄せた。
「俺もお願いしますよ。」
後輩の人と僕とみずきさんは、水野さんの温かさを感じながら、涙を流した。