どくんどくん2 ~あの空の向こう~
第12話(2度目の告白)
どくんどくんどくん。
ユキの家の窓から漏れる光で、誰かが中にいることはわかる。
ユキの部屋からも、ユキの好きなオレンジ色の明かりが見える。
階段を駆け下りてくる足音が聞こえた。
元気の良いその音に、僕はユキだと確信した。
僕は、初めてユキに話しかけた高校の廊下でのことを思い出した。
あの時のドキドキと今のドキドキ、すごく似ている。
僕はまだあんな純粋だった頃と同じくらいユキに恋しているんだ。
初めて話した時の、あの喜びや胸の鼓動を今よみがえらせることができた。
ユキと、目と目が合った瞬間の気持ちや、ケーキ屋さんに行ったときのこと。
ユキの涙の訳を知ろうと必死だった頃の僕が、今の僕に話しかけてくるようだった。
『どんなことをしてでも一緒になりたいって思ってたはずだろう?どうしちゃったんだよ、ハル!!しっかり捕まえとかないとダメじゃないか!』
僕は、なかなか出てこないユキを待ちながら、大きく深呼吸をして両手に力を込めた。
家の中から物音がして、玄関のドアがゆっくりと開けられた。
僕の予想通り、そこには僕のたった一人の大切なユキがいた。