どくんどくん2 ~あの空の向こう~
「私、自分のことで精一杯で、ハルのこと大事にしてなかったね・・。ごめんね。ハルはいつでも優しいから、甘えてしまってた。ハルは私の事何があっても好きでいてくれるって思い込んでた。でも、お互いを思いやれなくなったらだめだよね。」
「僕のほうこそ、忙しいユキを支えるべき彼氏なのに、一人でスネてたのかもな。置いてけぼりにされてる気分だったんだ。ユキばっかり、先に行っちゃう気がしてさ・・。」
僕は正直に自分の気持ちを話しているうちに、自分自身に問題があったことに気付いた。
専門学校での勉強でも、壁にぶつかっていた僕にいろんな波が襲ってきた。
一番の僕の相談相手である水野さんが倒れたこと。
そして、それ以来全く会えなくなってしまったこと。
それは僕に相当なダメージを与えた。
勉強への意欲が失せ、水野さんが良くなってくれることを祈り続けた。
そんな僕にその時必要だったのは、ユキだった。
しかし、ユキには夢があり・・・明るい未来が広がっていた。
僕はユキにも甘えることができなかった。
元気のない僕に、大丈夫かとも尋ねてくれないユキに不信感を抱き、勝手な妄想で嫉妬した。
その時の僕には、ユキがあまりにも眩し過ぎたのかもしれない。
自分自身の弱さを、人のせいにして、被害者ぶってた。
そんな僕にユキの方が不信感を抱くのも当然だ。