どくんどくん2 ~あの空の向こう~
「ハル・・さっきのゆうじの言った事なんだろ。」
「たいしたことじゃないって思うしかない。今、詩を書くことができない時期だ、とかそういうんじゃないか?」
僕は自分の不安をかき消すために、気にしていない素振りをしていた。
本当はとてもとても、心配だった。
…というのも、最近ゆうじはギターを弾かなくなったからだ。
僕は歌に専念する、と言うゆうじの言葉を信じていたが・・・。
シンは、悩みに悩んでもまだ結論が出せずにいた。
父親としての責任はちゃんと取る、とだけ彼女に伝えた。
おそらく結婚はしないのだろう。
今日のライブを、楽しみにしていたという彼女だったが連れてくるはずもない・・か。
そう思った瞬間、遠くから僕を呼ぶシンの声がした。
隣には、まだ会ったことのなかったシンの彼女らしき人がいた。
まだ、妊娠の初期と言うこともあり、妊娠しているとは思えないほっそりとした人だった。
なんとなく僕の想像していたシンの彼女像とは、あまりにもかけ離れていた。
キャピキャピしたコギャル系を想像していたが、落ち着きのある雰囲気で年上に見える。
「初めまして・・シンの元彼女です。」
茶目っ気たっぷりに笑う彼女は、シンにはもったいないくらいのデキた人だと思った。
「おいおい、元彼女ってそんな言い方すんなよ・・。」
困ったようなシンの顔は、奥さんの尻にひかれてる旦那さん、という感じだった。
「別れる方向で、話が進んでいるんだ。ハルにも心配かけたけど、何とか自分の気持ちに整理が付いた。子供が生まれたら、毎月養育費を払うことになった。あいつは、そんなのいらないって言ったんだけど・・・俺が、それじゃ嫌だから。」
彼女がトイレに行ってるときに、シンが僕に話したことは、僕にとってはショックだった。
他人事だから言えるのかも知れないが、僕なら結婚すると思う。
だが、シンの人生はシンが決める。
隣で聞いていたユキもショックを隠せないようだった。
屈託のない笑顔で僕らに微笑んでくれた彼女の、心の中はきっと涙でいっぱいだろう。
「たいしたことじゃないって思うしかない。今、詩を書くことができない時期だ、とかそういうんじゃないか?」
僕は自分の不安をかき消すために、気にしていない素振りをしていた。
本当はとてもとても、心配だった。
…というのも、最近ゆうじはギターを弾かなくなったからだ。
僕は歌に専念する、と言うゆうじの言葉を信じていたが・・・。
シンは、悩みに悩んでもまだ結論が出せずにいた。
父親としての責任はちゃんと取る、とだけ彼女に伝えた。
おそらく結婚はしないのだろう。
今日のライブを、楽しみにしていたという彼女だったが連れてくるはずもない・・か。
そう思った瞬間、遠くから僕を呼ぶシンの声がした。
隣には、まだ会ったことのなかったシンの彼女らしき人がいた。
まだ、妊娠の初期と言うこともあり、妊娠しているとは思えないほっそりとした人だった。
なんとなく僕の想像していたシンの彼女像とは、あまりにもかけ離れていた。
キャピキャピしたコギャル系を想像していたが、落ち着きのある雰囲気で年上に見える。
「初めまして・・シンの元彼女です。」
茶目っ気たっぷりに笑う彼女は、シンにはもったいないくらいのデキた人だと思った。
「おいおい、元彼女ってそんな言い方すんなよ・・。」
困ったようなシンの顔は、奥さんの尻にひかれてる旦那さん、という感じだった。
「別れる方向で、話が進んでいるんだ。ハルにも心配かけたけど、何とか自分の気持ちに整理が付いた。子供が生まれたら、毎月養育費を払うことになった。あいつは、そんなのいらないって言ったんだけど・・・俺が、それじゃ嫌だから。」
彼女がトイレに行ってるときに、シンが僕に話したことは、僕にとってはショックだった。
他人事だから言えるのかも知れないが、僕なら結婚すると思う。
だが、シンの人生はシンが決める。
隣で聞いていたユキもショックを隠せないようだった。
屈託のない笑顔で僕らに微笑んでくれた彼女の、心の中はきっと涙でいっぱいだろう。