どくんどくん2 ~あの空の向こう~
「命の大切さを知ることができたのは、仲間に出会えたからです。僕は今本当に幸せです。生きていて良かったと、心から思います。一日でも長く、生きたいと思っています。・・・だけど、神様はそんなに甘くはありません。自ら命を絶とうとした僕には、いろんな試練が待ち受けているんです。僕は、昨年の夏から、ギターが弾けなくなりました。自殺の後遺症だと思いますが、手の感覚が麻痺するような時があります。日に日にその症状はひどくなっています。僕は、なんとなくですが予感がします。僕の命は、神様がくれたプレゼントなんだって。期限付きのプレゼント・・・。
僕に生きる素晴らしさや、友情や愛を教えてくれるために、僕に時間を与えてくれたんだって思うんです。」
僕は、頬に流れる涙にも気付かないでいた。
嫌だ。
嫌だ。
そんなの絶対に嫌だ。
嘘だ。
絶対にそんなことはない。
「僕は、このライブをもって、しばらく休ませてもらいます。このまま帰ってこれなかった時は、大野君が僕の作ったたくさんの歌を歌い続けてくれると思います。
でも、きっとすぐに戻ってくるから待っていてください。ちょっと、行ってくるだけだから。」